近年、小中学生の不登校や青少年の引きこもりなどの克服や治療は心理カウンセリングなどの精神分野の援助法の発達により大きな進歩を見せています。
しかし、それらはあくまで各領域の専門性によるアプローチを中心としているため個々のケースすべてにその解決法が当てはまるとは限らず、社会全体で捉えれば根本解決には至っていないのが現状です。
そのような現状を踏まえて、時代は治療から予防に変わりつつあります。治療的なカウンセリングの発展が望まれる以上に、不登校などにならないよう予防するために親としてどのような対応が望まれるのか、または引きこもりの状態を克服するために親としてどのような援助が適切なのかを考えることが重要視されています。
さまざまな不登校の事例を見てみると、不登校や引きこもりは「いじめ」などの外的要因や、生まれ持っての性格的特質のみに必ずしも起因する問題ではないということです。
上記のような原因のみに起因する事例は確かに存在しますが、それだけが原因ではなく様々な要素が複合的に絡み合った「複合型」の事例が近年は見受けられます。
家庭教育推進協会では上記のような「複合型」の不登校や、近年取り上げられている「悩まない不登校」、登校したり休んだりを繰り返す「五月雨登校」の予防のために家族療法という手法を推奨しています。
家族療法とは親が子どもの性格傾向や年齢などを専門のカウンセラーからのアドバイスを受けながら、具体的にどのような言葉がけをすればいいのかを考えながら対応していく手法です。家族療法は不登校の復学支援機関などでも取り入れられている手法です。不登校や引きこもりの予防的な家庭教育を学ぶことで、親子の信頼関係の構築、子どもの自立心や協調性、社会性などを家庭内で開発・育成する効果が期待されます。
家庭教育推進協会では、治療的なカウンセリングだけではなく、このような予防的なカウンセリングの分野の必要性を感じており、各専門機関との連携を深めていきながら、その情報を社会にフィードバックしていくことを目指しています。また親対象の家族療法を中心とした予防的な家庭教育のセミナーやワークショップも行っています。