不登校の親が陥る「共依存」


皆さんこんにちは、不登校に悩む親御さんのカウンセリングや、不登校に役立つ情報を発信している家庭教育推進協会です。

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「共依存」という言葉、みなさんも一度や二度は聞いたことがあるのではないでしょうか。実は、現代社会に生きる誰もが陥りやすい大きな問題の一つであると同時に、不登校児の親が陥っていることも多いものです。

ですので今回は、一般的な「共依存」について整理しつつ、不登校の子どもを抱える親が陥る共依存の問題と解決方法をとりあげます。

 

 

1 共依存とは何か

2 現代社会における共依存

3 不登校の子どもの親が陥る共依存(過保護・過干渉、子ども上位)

4 共依存から抜け出すためには

 

 

1 共依存とは何か

 共依存は、一般には、人間関係や外界との関係のとり方において問題がある人や問題がある行動・考え方などについて指します。

 

 特に近年の若者の間で多く見られるのはは、「自己否定感や空虚感を抱え、それを即効性のある激しい行動で満たそうとしている」状態です。過食や拒食、薬物の乱用、恋愛やセックスへの依存、買い物への衝動などが挙げられるでしょう。共依存というと、このような意味で使われることが多くなっています。

 

 しかし、共依存という言葉が使われ始めた頃の意味は少し異なっていました。もとは、「依存症者の身近にいる人が、依存症者の状態に対処せざるを得なくなり、自分に焦点が当たらなくなる」というような意味で使われていました。

 

 今回の記事では、上記のような意味の変遷を踏まえ、共依存を「自分の行動や在り方を外部に求めることで、その人自身にとってもよくない問題が起きている状態」として捉え、不登校児を抱える親についても、この視点から考えてみましょう。

 

 

2 現代社会における共依存

 

 現代社会は、このような共依存的な態度や生き方を迫られやすい構造となっています。

 

 というのも、わたしたちが生きる資本主義社会は「自分にはないモノ」への憧れや欲望をかき立てることで成り立っているため、わたしたちが自分そのものに焦点を当てて自分を大切にすることは難しくなっているからです。

 

 電車や動画サイト、駅前のビルに氾濫する広告によって、わたしたちは足りないものを自覚させられ、それを満たそうとする欲望をもち、消費行動に走ります。そして消費するためにまたお金を稼ぎ…というループが続くのです。

 

 しかし、無限に氾濫する広告によって生み出される欲望に際限はありません。つまり、その欲望を満たし、そのために労働をすることだけで生活を送る人々は、自分自身の体調や気持ちなどについて考える機会や時間を無限に剥奪されることになります。

 

 こうしてわたしたちは、欲望とそれを満たすための行動を繰り返すことをあまりにも当たり前に引き受け、自分の輪郭が外から供給される欲望によって与えられていることに鈍感になるのです。すなわち、自分自身のことには目を向けられないままになってしまいます。

 

 

3 不登校の子どもの親が陥る共依存

 ただでさえ上記のような社会の状況な上に、不登校の子どもを抱えた場合、ことさら共依存状態に陥りやすいかもしれません。もっとも、自分の大切な子どもが学校に行かなかったり、それで何か辛い思いをしているのであれば、子どものことを心配してしまい世話を焼いてしまうことも無理はありません。

 

 実際、不登校児の親が陥っていることが多い共依存のような状態として、「過保護・過干渉」「子ども上位」をあげることができます。

 

 

【過保護・過干渉】

子どもの言動について、必要以上に気にかけて口を出してしまう状態。子どもの自主性や主体性を阻む。

【子ども上位】

親が子どもの言いなりになっている状態。

 

 これらはどちらも自分自身の外側にある子どものことにばかり注意がいき、子どものために何かをしてあげることで自分をカタチづくろうとしているよい例です。子どものため、と思って行っている親の行動が、実は子どものためにはなっておらず、親がその場で自分を満たそうとしているだけ、ということは往々にしてあります。

 

4 親が共依存状態から抜け出すためには

 このような「過保護・過干渉」「子ども上位」といった共依存状態を脱するためには、子どもと適切な距離をとる、ということが重要になってきます。

 

 ついつい口を出してしまう場面を反省して、そっと見守ったり黙ったりすること。一方では、子どもの要求やお願いを丸呑みせずに主導権を握ること。つまり、子どもに気をかけて世話を焼いている自分についてその都度反省をし、適度な対応ができるように自分を律していくということです。

 

 もっとも、無意識に共依存的態度が癖になっていることが多いため、反省も簡単なことではありません。会話ノートなどの記録やその見直し、訪問カウンセラーなどの第三者からの指導や報告を介して気づくことも多いかもしれません。これまで目を向けてこなかった自分について目を向けることになりますので、かなり時間も労力も要することです。

 

 しかし、このように親が自省して行動を変えていくことは、結果的に、子どもの自主性や主体性を伸ばすことにつながります。子どもも、そして親も、それぞれが社会生活を送る力を身に付ける一歩になるでしょう。

 

 

 

 

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